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2013年4月4日木曜日

すてきなピアノって?


皆様がすてきだなって感じるピアノってどんなピアノですか?

私の理想は見栄を張らず力が抜けていて素直でそれでいて自分をしっかり表現しているピアノ、、、。

それが理想なのは自分はその反対のピアノしか弾けないからです(苦笑)


大人の生徒さんを見ていると正しいピアノが存在する、と思っている方が多いように感じます。

「ここの音からクレッシェンド(だんだん強く)ですね?」
「ペダルはこの音の下に書いてあるので、ここで踏めばいいですか?」
「アレグロなので速く弾くんですね?メトロノームいくつですか?」
という具合に、、、。

音楽には拍子や調など、絶対守らなければいけない事が沢山ある一方、
自分で考えて感じて決めて弾かなければならない事も沢山あります。

作曲家の意図を汲み取るのは非常に大事な事ですが、クレッシェンドもペダルも速さも
絶対的な数字のようなものではありません。そもそも編集の段階で入れているものも多くあります。

音楽の流れが心を高めて、この辺りで自然にクレッシェンドしたくなるとか、この音をペダルで響かせたらいい感じとか、まずはその曲を弾き込んで(弾くのではなく) 
 
    自分の心と呼吸とからだで音楽を感じる

と、少しずつその曲の言いたい事が見えてきます。「はじめに心ありき」です。
それを感じずに書いてあるからやるクレッシェンドは悪いと思ってないのに口先で謝られる「ごめんなさい」と同じになってしまいます。

「音符を追うのが精一杯でそれどころではない」とおっしゃる方も多いですが、でしたら、今自分で弾けると思っている3分の1以下の音符の量の曲を余裕を持って正しく(ここは正しく)読み、あとは自由に感じて弾く練習をしてみて下さい。

聴いている人にとっては精一杯音符だけを追っている音楽より「音符はカンタンだけど感じて弾いてる」音楽の方が断然すてきなんですよ。

とはいっても、有名な曲をちょっとでもそれらしく弾けるってやはり嬉しい事だからやってみたいし、やれたら爽快。私も同じです。どんなに音楽的でないと言われようとそれを弾くのもその人の挑戦、自己満足もピアノの楽しみ方の一つでまったく間違っていません。

でも、いつも思い出して欲しいのは聴いている人は違うということと、それが音楽の本質ではないという事。何が弾けるよりどう弾いているかが伝わるのが音楽です。

一見カンタンな曲はヘタな気がして全くもって気が乗らないし、「もっと自分は難しい曲が弾ける」って思うかもしれません。でもパソコンの打ち込みではないので、叩きゃ弾ける、って事ではないのです。音楽の本当の素晴らしさはいつも隠れています。それを見つけて自分の方法でご披露して下さい。


今日もいい1日でした。
おやすみなさい。



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