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2013年9月15日日曜日

ピアノという芸術


ピアノという楽器の芸術っぷりについてもう少し。

ピアノの最大の芸術性&魅力は「不安定さ」だと私は思っています。

電子ピアノは、まだタッチの確立していない子供が弾いても、フルコンサートグランドピアノをホールで弾いた響きが出ちゃいます。けれどピアノは練習しないといい音は出ないし、そのときによって音が変わる、怒っていたら怒った音、湿気の多い夏はべたべたした音となってしまいます。これは、あたかもマイナス要素的ですが、いつもいい音という平均がない代わりにとてつもない美しさを持つのです。

そして電子ピアノのドの音はドの音でしかないのですが、ピアノには木や弦の音が加わり
揺らいでます。私はこのアコースティックならではのなんか不安定さが好きです。ピアノは弦楽器や管楽器のような揺らぎはないですが、他の楽器にはない「ポトン」とか「コロコロ」とか「りーん」みたいな音があって、上手な方の演奏は、ほんとに音が「ド」とかの音程とは違う別の意思を持つ気がします。

音楽の良さはメロディーの良さという意見は当然で、作曲家は偉大に決まってます。が、
この不安定な美しさは弾く人によって格段に違い、これは演奏家の努力の結晶です。素晴らしい演奏家とは「あんなに指が動くなんて」とは違ったすごさを持っています。「いい曲ね」だけではないピアノの芸術を味わいに、ちょっとお金を出してコンサートにも行ってみて下さい。


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