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2014年7月7日月曜日

著作権とコピー 2

ノーベル賞を取った方が
「IP細胞は特許をとらず皆が自由に研究して技術発展を促したい」と言っていました。
これと同じように売れっ子作曲家が、みんなが自由に音楽を楽しめるよう著作権は取りませんと言うのはあるかもしれません。
しかし、売れっ子ではなく食べるのがやっとの作曲家だったらどうでしょう?


科学者が成果を出さないといけないプレッシャーは相当でしょうが、お給料はもらえてるんですよね。国立大学にも研究所にも、開発のための研究費は税金からまわりますよね。

「みんなが自由に音楽を無料で楽しむ」は聞こえがいいですが、
税金はもちろん回っていかなくて、ギリギリの暮らしをしている作曲家が作ったものを、
優雅に暮らしている人たちが無料で楽しんでいるとしたら間違っています。

作曲家が好きで作っていると言えばそれまでですが
もしその音楽に楽しみをもらっているのなら、違法コピーはやはり非礼なことです。
作曲家がどれだけ生活をかけてそれを作ったか、大げさに言うと命をかけて人生をかけてその1曲を真剣に作ったか、、。

今日食べる物も無い雨風もしのげない方がコピーするなら別として、
自分よりはるかに豊かに暮らしをしている人に楽譜代をケチられてコピーされても
創作活動を続ける作曲家や編曲家。
さむらごうちゴーストライター事件のとき、新垣氏が本当につましい生活をしているのをテレビでご覧になった方も多いでしょう。
「音楽を食べて生きている」そんな感じでした。
「聞いてくれる人がいるだけで嬉しかった」
お金のために作ってる訳じゃなくても、でも人間ほんとに食べないと死んじゃうんですよね。

アーティストってクリエイターって、生み出すのに命を削っています。
最近有名な歌手が覚せい剤で逮捕されました。
「弱い人だった」と非難されています。裏切られたと言ってる人もいます。

でも私は思うのです。どんなに才能があると言ってもやっぱり人間、
本当に苦しくて大変だったんだろうな、と。。
藁にもすがりたい、その藁が薬だった気がするんです。
そんな彼らの生み出した物をこちらは努力せず気楽に楽しませてもらっている。

ですからせめて対価としてお金を払いたいと思うのです。
素人のあそびなんだからタダでいいでしょ、は申し訳けなさすぎるのです。

ピアノでは1冊の曲集のなかで弾きたい曲が1曲ってこともあります。
そうすると1冊買うのもったいないですよね。
でもたった1曲にも沢山の方の労力やお金が使われています。
わたしなんか作曲どころか人が見やすい楽譜を作るのだって一苦労二苦労です。

口先だけで何も正しく生きていない私が「コピーはいけません」とは言いません。
私は正しくない上、かなりのケチで計算高い人間です。
でもそんな私と違ってそれでも作曲を続けてくれている人たち。
「こんなに楽しい思いをさせてもらったせめてものお礼」
楽譜が出来るまでに思いを馳せるだけで少し気持ちが変わります。

私が学生の頃は輸入版の高い楽譜ばかりで何千円もしていました。
今は国内で安価な楽譜を販売してくれるようになりアマチュアも手が出せる範囲です。
素人の人が気軽に弾けるようわんさか編曲されています。
豊かな知識と技術を持ちながら薄謝で編曲してくれている編曲者さんには本当に頭の下がる思いです。楽譜出版社さんもあってこそです。

何回かに1回でもいいのです。コピーじゃなく楽譜を買ってくださると音楽家と音楽の世界を守る手助けになります。売れない楽譜は当然ですがすぐ廃版です。いいなと思った楽譜を買ってくださるとその楽譜が残れる道となり、それが多くの方の次の楽しみへとつながり、またアーティストさんの次の活動につながっていきます。


音楽で生活させていただいている者のはしくれとしてお話させていただきました。





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