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2015年4月21日火曜日

簡単だけど神聖

このあいだ、ピアノは簡単と書いておいてピアノは神聖とも書いてみましたが、これは矛盾していません。


ピアノが凄いのは簡単だけど難しいところ。しつこしですが矛盾していません。
ヴァイオリンやバレエは見るからに難しい。別世界。
でもピアノは1本指でも弾ける。すぐそこにある世界。でもまだまだ奥に世界が広がる。
要するに入り口が広く奥が深い。それがピアノです。

現在はじめてピアノの会の最高齢の方は92歳、続いて90歳の方が3人、89歳の方、85歳の方と続きます。皆様がおっしゃるのは「生き甲斐」。ピアノを弾けるようになることももちろんその過程が楽しいとおっしゃって下さっています。

もしかしたら皆様は神聖なものとして意識していないかもしれない。
ちょっと頑張れば弾ける。それがピアノ。だから楽しいという感覚だけかもしれません。
もちろんそれでいいのです。

けれど皆様の触れているものは伝統が育んだ神聖な芸術であることを、クラッシックを学んで来た者としてお伝えするのは、クラッシックへの畏敬であり義務だと思っています。
私だってすごい事を出来ているわけではない。
でもすごい事の一端に触れているという認識は絶対必要だと思っています。

野菜や魚だってスーパーですぐ買えてすぐ食べられるけど、どうやって野菜を作るのか、どうやって魚が手元に届いているのか、それを知ると知らないじゃありがたみが違います。食べる姿勢が変わってくるしちょっと形が悪くても小さくても美味しくいただける。ピアノもそんなもんです。

一見簡単なことがピアノの魅力だけれど、その逆の難しさもピアノの魅力。
だからピアノをやめられないのです。



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