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2015年7月31日金曜日

奥底の小さな星

私が短歌を習い始めたきっかけは、いつも言いたいことが整理出来ずくどくど余計なことばかり言って最終的に「で、何がいいたいの?こういうこと?」って10秒でまとめられ、「そう!そういうこと!」となる会話の過程を省略し、自分から「こういうこと!」と颯爽と話せる女になりたいと思ったからです。


短歌は古典の教科として大嫌いで「けり」とか「なり」とか見たり聞いただけでイラっとしてたので、好きで始めたわけではありません。57577で伝えられる女を目指しただけです。仕事で英語が必要だからしょうがないから習います的な。それが30代前半の頃。

「いやいや、その目的なら短歌は違うでしょ」と思いますよね。
はい、私も今はそう思います。
しかしその頃は57577を学べば論理的な思考と会話が出来ると思ったんですね。そのくらい短歌がなんなのか全く知らない本物の素人だったのです。

ただ「和歌」という響きに、うっすら魅力を感じていたのは事実です。
なにしろ20代の頃は「30歳になったら毎日着物で過ごす」と夢見ていたくらいですから。

話がそれますが、35歳ころ、夢は叶えなくては!と毎日ゆかたで過ごた夏があります。
マンションの管理の方に「お加減悪いんですか?」と聞かれました。
尋ねて来た証券会社の方に「今時珍しい普段着ですね」と言われました。
それを聞きつけた九州の姉が電話してきてゆかたを止められました。
あれで私の夢は幕を閉じました。

短歌の話に戻ります。
最初はただ字数だけ合わせていましたが、実はただ字数を合わせるものではないことにようやく気づきその魅力に取り憑かれました。ピアノより断然好きになりました。

クラッシックもきっと縁のない方は、私が短歌を知らなかったように「お高く止まった西洋の昔の音楽でしょ」と思われるのでしょう。どちらも「わあ〜!楽しい〜!」「うう、、感動した、、」という大きな感動とは違うものなので、ぱっと見魅力的には映りません。

けれどそれに触れたとき、心の奥にしまっていたなにか小さな星のようなものがキラリと輝く瞬間があるのです。

人間が時代や国を超えて持っている心の中の小さな星。そんな星に気づき、その小さな星が強烈に輝く感動。

私が短歌を沢山勉強してその魅力を伝えられるならそれもしてみたかったのですが、どうも残念ながら縁がなかったので、今いる場所で今出来ること、クラッシックの魅力を伝えてたいと思います。

多くの方にキラリと輝く自分の小さな星を見つけて欲しいと思います。













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