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2015年10月24日土曜日

演奏する勇気

今回のサロンの会で私は久しぶりにピアノを弾きません。
9月に弾いたし、色々イベントの準備が取り込んでいて、、というのが表向きの理由ですが言い訳です。弾くと弾かないでは天と地ほど精神的負担が違います。
昨日はサロンの会1回目。
私よりお年上の生徒さんが大勢の前での弾いているお姿を拝見し、そのチャレンジ精神に心から敬服致しました。

演奏家を批評するのは簡単な事です。
特にピアノを弾いた事がない人、まだ弾き始めの人は言いたい放題です。
でも1つの曲をそれも1人で大勢の前で演奏するのはただ事ではありません。
まして年を取ってそれをやる事がどれほど大変な事か、、、。
冷蔵庫に何取りに行ったかも忘れるのに右手左手の音を覚える、緊張すると日本語でさえろれつが回らなくなるのに、人前で正しい鍵盤を弾く。年取ったら指先なんて力が届かなくて普通です。しかもピアノは自分の楽器を持っていけないので、そこにある楽器の特製を掴んでペダルまで付けてそのピアノにあった演奏をしないといけません。

今回のサロンのピアノは鍵盤が重く、dolceの音は撫でただけだと音がしません。
というか音はしているのですが、響きが出ません。
かなり手強いですがある意味、芯をとらえている音とそうでない音の区別が出やすいのかもしれません。そして低音がよく出るピアノなので伴奏の左手が大きい方はバレてしまいますし、メロディの右手が出ていない方は左手ばかり聞こえてしまいます。
弾きやすいピアノ弾きにくいピアノは必ずあります。
弘法筆を選ばずですが、これはプロでもなかなか難しいことです。
ピアノを弾くとこういうこともわかって簡単に批評なんて出来なくなります。

昨日のサロンの会の出演の方の90%は70歳以上。80歳以上、90歳以上の方もいらっしゃいます。よくぞご出演くださったと皆様の勇気と弾かなかった自分の後ろめたさを感じつつ、こんなに努力を必要とするピアノという美しい楽器の魅力を改めて思った初回となりました。

明日は2日目のサロンの会です。


















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