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2016年2月18日木曜日

大人のピアノの年齢の限界

大人からやったらモーツァルトのトルコ行進曲弾けないんですか?何歳が限界ですか?と20代のお嬢さんに聞かれました。

大人、と言うとわかりづらいですね。
何しろ私の大人の生徒さんは20代から90代、70歳差があります。グループレッスンでは平均年齢が65歳です。「何歳が限界か?」と聞かれれば個人差としか言いようがありませんが、「何を限界としていますか?」で答えが違ってきます。

楽譜を読む力、それを伝達する力、それを連動させる力、聴力、瞬発力、集中力…。
これらピアノに必要な能力は残念ながら年齢と共にかなり衰えていきます。いくら人生の経験値が高くてもこれはどうしようもありません。私自身が痛感しています。

この間、銀座久兵衛と寿司アカデミーの寿司の比較をテレビで見ました。
久兵衛の職人さんは、6年シャリ作りだけをしてもまだまだです、毎日その違いがわかってきますと言っていました。その職人さんは、それがとても楽しそうでした。
寿司アカデミーの経営者ももちろん久兵衛さんとは違います、と言ってました。
技術というより、そういう違いを肌で感じられる力の違いが寿司に出てくるのもしれません。


モーツァルトのトルコ行進曲の原曲、全く経験がない楽譜も読んだ事がないピアノには初めて触る方でも楽譜が読めたら60歳からでも弾けます。でも年齢が上がるほどそれが難しくなるのは紛れもない事実です。そして、たぶんご自身の理想とするものとは違うであろうことも事実です。

わかって頂きたいのは、あの曲を弾けるからピアノを習うという捉え方ではピアノが苦しい、という事です。あの曲を弾けるのは目標かもしれませんが目的ではありません。

弾けないことがやめる理由にならないことを願います。

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