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2016年3月10日木曜日

中田喜直さんのピアノ

中田喜直さんは手が小さかったそうでピアニストをあきらめ作曲家になったそうです。

ピアニストと作曲家との関係でいうと作曲家の方がエラいです。何と言っても音楽は作曲家の意志が尊重されます。作曲家の方が後世名前も残りますね。そんなこと考えてなる訳ではないですが。

しかし、一番エラい立場の作曲家でも、自分の曲をピアニストに弾いてもらうと曲を作った本人が『こんなに素晴らしい曲だったとは」「こんなにステキに弾いてくれて」と驚くそうです。ピアニストの表現力というのはそんなふうに作った本人の意識をも超えるようです。ピアニストに限らずプロフェッショナルとはそういうことでしょう。

中田さんの話に戻りますが、手が小さいので特注のピアノを持っていたとこの間生徒さんからはじめて聞きました。知りませんでした。特注のピアノが作れてお金持ちなんだな、という感想以外に、執念と清々しさの両方を感じました。

作曲家だから自分の家で自分が弾くだけなので、外で備え付けのピアノを弾かなきゃいけないことは考えなくてよかったんですね。家では細幅外では通常の幅、では感覚狂っちゃいますもんね。

ピアニストになりたい、でも指が届かない。
だからピアニストにはなれなかった。
だから作曲家になった。そして手が小さくても弾けるピアノを作ってピアノを弾いた。本人にとったら苦肉の策なのかもしれませんが、自分のピアノで「自分のピアノ」を弾く。それ以上の贅沢ってないですよね。

中田さんの作品は無理のないものばかり。
ご自身のそんな思いがいっぱい詰まっている日本の大作曲家の作品を、子供だけでなく多くの大人にも弾いてもらいたいです。











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