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2016年7月2日土曜日

ピアノを歌わせる

ピアノの会なのに何故オペラや他の楽器のレクチャーコンサートをするのかというと、ピアノはオーケストラだからです。ピアノは色々な楽器のパートを演奏する訳ですから、元となるリアルな音がわかってはじめて本当のその曲のイメージが湧くと思ってます。

そしてもっと大事なのが音楽の根本、歌うことを学ぶためです。
ピアノを指導していると、「曲想をどうやってつけるかわからない」というのを聞きます。「歌って」と言っても「歌う」ことがそもそもわかりません。
歌わずにどう曲想をつけるかというと、フォルテと書いてあるところを強く、クレッシェンドと書いてあるところをだんだん強くする。それがピアノをステキに完成させる事だと思ってしまう。それは歌う音楽とは違います。

なぜ歌うの意味がわからないかというと、それは美しく歌われた歌を聞いた経験が少ないからだと断言します。
声を出すのが歌うわけではありません。
音程が取れたり声量があるのは歌う人にとって必要不可欠なことですが、ここでいう歌う、という意味においては違います。
アナウンサーのようなしゃべり、声優のようなしゃべり、聞いたことがなければ真似も出来ないですよね。
「ピアノを歌わせて」という時は、歌を真似るという意味です。

歌はもちろんですが、弦楽器も菅楽器も歌詞のない歌です。
ピアノのようにハーモニーが奏でられてしまうと、全体として大雑把にしか音が聞けずメロディが歌えなくなる事が多いです。そしてピアノのように叩けば音がする楽器は叩くだけになってしまいます。

歌や弦、菅楽器の演奏をたくさん聴いて、歌うピアノを目指して下さい。



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